猫があくびをしたときに口臭が「ドブ臭い」ことに気づき、どうにかしたい!と思う飼い主さんはいるるのではないでしょうか。猫を毎日歯磨きする家庭は少ないため、口臭がドブ臭い猫は珍しくありません。ドブ臭くなるのは口の環境や体の調子が悪くなるためですが、その原因はさまざまななのです。
そこで今回は、猫の口臭がドブ臭い原因3つとその対処法、おすすめのデンタルケアグッズを紹介します。猫のドブ臭い口臭に頭を抱える飼い主さん必見の内容です。
目次
猫の口臭がドブ臭い原因3つ
病気の影響
口腔内疾患
猫の口臭がドブ臭くなる原因でよくみられるのが「口腔内疾患」によるものです。口腔内疾患といってもさまざまありますが、そのなかでも特に多い病気を解説します。
歯周病
歯周病は猫の口臭の大きな原因の一つです。歯垢のなかの細菌によって引き起こされる炎症のことで、歯周病が進行すると歯が抜けたり、口臭がきつくなったりします。
猫は歯の構造上虫歯にはなりにくいものの、歯垢がすぐに歯石になってしまうので歯周病には罹患しやすいのです。
口内炎
猫も口内炎になりますが、それが原因で口臭がドブ臭くなることも。猫の口内炎は、舌や口の内部の表面部分に炎症がおきる病気です。
潰瘍が広がる重い口内炎を患うと、痛みのあまり性格が変わる猫もいるようです。細菌感染や外傷など様々な要因で引き起こされ、食欲が低下・出血といった症状も現れるケースが多いです。
内臓疾患
口の中だけでなく、内臓の異常によっても口臭がきつくなることがあります。ただし口臭に気づくころには病気が進行してしまっている可能性もあるので、口臭の他に症状があったり判断が難しい場合は早めに動物病院を受診してください。
糖尿病
肥満の猫が罹患しやすい糖尿病も、口臭の原因になります。糖尿病は代謝異常の一つで十分なインスリンの生成または効果が得られないことにより、血糖値が異常に上昇する病気です。
この病気が原因でドライマウス(口の中が乾燥している状態)が生じ、唾液が不足すると口腔内の細菌が増殖しやすくなり、口臭が発生しやすくなります。ほかには体内のエネルギー量が不足し体内の脂肪が代謝されることにより生じる「ケトン体」に臭いが、口臭として現れることもあります。
腎臓病
猫の腎臓病は腎臓の機能が低下していく病気であり、猫にはよく見られます。この病気は進行性で、腎臓の機能が失われると老廃物が体内に蓄積し、健康問題を引き起こします。
さらに腎臓病が進行すると、体内の毒素を尿として出すことができなくなるため、アンモニアのような口臭が強くなることがあります。猫の腎臓病は進行性の病気なので、早期発見と適切な管理が重要です。
肝臓病
肝臓病は肝臓が機能不全を起こす慢性的な疾患で、さまざまな原因によって引き起こされます。肝臓は代謝・解毒・血液の貯蔵など体内で重要な機能を果たしていますが、肝臓病が進行するとこれらの機能が低下し、健康に影響を及ぼすのです。
肝臓病になるとアンモニアを無害な尿素に変換する役割を果たせにくくなり、結果アンモニアが蓄積し口臭の原因となります。口臭だけで猫の健康を評価するのは難しいですが、ほかに症状がって口臭が気になる場合、早めに動物病院を受診しましょう。
フードの影響
猫のフードの種類も口臭がドブ臭くなる原因になります。とくにウェットフードはフードそのもののニオイが口に残りやすいうえに、食べかすが歯の周りにつきやすく歯周病のリスクを高めるので、口臭がきつくなる傾向があります。
一方ドライフードにはそのような特徴がなく、口臭をそこまでひどくさせる原因にはなりにくいです。ただニオイが強いわけではないので、これまでウェットフードを食べていた猫には物足りなさがあるかもしれません。
ストレス
猫のストレスと口臭が関係あることが「意外」と思うかもしれませんが、猫も人と同じようにストレスが原因で口臭がドブ臭くなります。猫がストレスを感じるのは、引っ越し・飼い主の留守・外出など。これらが重なったり繰り返したりすると、猫は心因的なダメージを受けてしまいます。
猫がストレスを感じることでお腹のなかの酵素や細菌のバランスが崩れると、それが原因で口臭がきつくなることがあります。また、ストレスからくる過食も歯周病や口臭を引き起こす原因に。
加齢
加齢も猫の口がドブ臭くなる大きな原因です。年を取るとこれまでに蓄積された歯石が原因で、ドブ臭い口臭が強く現れます。ほかにも唾液の分泌量の低下・代謝機能の低下などさまざまな要因が、ドブ臭い口臭の原因に…。
加齢による口臭は仕方ない部分もあり、猫が不具合(フードが食べれない・腫れている・痛がっている)を感じていない場合は、特別な処置をせず様子を見ることも多いです。
我が家の13歳おじいちゃん猫は、歯周病で犬歯が1本自然に抜けました…。しかし本人も痛がらずご飯も食べれているので、様子を見ています。
猫の口臭がドブ臭い対処法は?
デンタルケアをする
猫のドブ臭い口臭対策のひとつにデンタルケアがあります。猫のデンタルケアの代表的なものは歯磨きや歯磨きシートなどがあり、これらを定期的に行えばドブ臭さを緩和させることもできます。
しかしこれまで歯磨きや「口を触られる行為」をされてこなかった猫は、歯磨きを全否定するケースがほとんどです。そのためどうしても歯磨きができない猫には効果はやや低めになりますが、舐めるだけで効果のある歯磨きジェルや歯磨きガムがおすすめ。
フードを「ドライ」タイプに切り替える
先にも少し述べましたがウェットフードはドライフードよりも、口の中に食べかすとして残りやすく口臭の原因となります。そのため特別な理由がないのであれば、フードのタイプを「ドライ」タイプに変えてみましょう。
とはいえニオイも強くておいしいウェットフードから、急にドライフードにしてもほとんどの猫が食べません…。フードを切り替えはいっぺんにやるのではなく、徐々に割合を変えながら与えていくのがポイントです。
最初は全体の9~8割をウェットフードにしますが、猫の様子を見つつウェットフードの割合を減らしていきます。猫によっては長期戦になるかもしれませんが、飼い主も根気強く行いましょう!
ドライフードだけではどうしても食べない!という場合は、猫が食べてくれるだけの量の変更でもOK!少しでも口の中の残るウェットフードの量が減るように調整しましょう。
動物病院で歯科処置をうける
あまりにも口の中の環境が劣悪な場合は、動物病院に相談し歯科処置をうける方法もあります。専門器具を用いて歯石を取っていくので、ドブ臭い口臭にもとても効果的です。
しかし猫は人のようにじっとしていることはできないので、口の掃除をするにしても全身麻酔が必要になります。そのためシニア猫・持病持ちの猫など麻酔が難しい猫は受けられないケースが多いです。
もちろん健康な猫であっても全身麻酔のリスクは伴いますので、飼い主もしっかり獣医師と相談し「歯科処置を受ける必要はあるのか?」「全身麻酔のリスクにはどのようなものがあるか」を理解しておくようにしましょう。
我が家の口臭がドブ臭い愛猫は、歯科処置を受けても良いほどのお口レベルですが、高齢で全身麻酔が難しいため自宅でできるデンタルケアのみ行っています!
猫のドブ臭い口臭におすすめのデンタルケアグッズ3選
猫の口臭にはデンタルケアがおすすめですが、そのなかでもSHIHOが激押しする商品は次の通りです。ぜひお試しください。
LION:ベッツドクタースペック デンタルブラシ
歯ブラシで悩んでいるならぜひ「ベッツドクタースペック デンタルブラシ」をお試しください!
猫の歯ブラシは本当にさまざまな種類があります。360℃ブラシになっていたり、特殊な形状だったり、指にはめるものだったり…。そのためどれを選べばよいかわからない!という飼い主さんがほとんどかと思います。
わたしもそのなかの一人だったので、いろんなタイプの歯ブラシを試してみました。その結果「やはりシンプルが一番」ということにたどり着きました!加えてこの歯ブラシは毛の柔らかさや大きさが愛猫に合っており、ややお値段はするものの磨きやすくておすすめの商品です。
LION: ベッツドクタースペック 犬猫用デンタルジェル
デンタルジェルでおすすめなのは「ベッツドクタースペック 犬猫用デンタルジェル」です。
歯磨きをしてあげたいけど猫が尋常じゃないくらい嫌がって、歯磨きができない!と悩む飼い主さんもいるかと思います。わたしの愛猫も慣れるまで歯磨きはNGでした。そんなときにこのデンタルジェルに出会ったのですが、この商品はなめるだけでも効果があるという特徴をもっています。
もちろん歯ブラシとセットで使うことで効果が高くなりますが、どうしても歯磨きNGという猫はなめてつかうだけでもOK!味はアップル・チキンがありますが、我が家ではチキンが大好評でした♪こちらも値段はやや高いですが、ぜひ試してもらいたいおすすめ商品です。
Greenies:猫用歯みがきスナック
歯磨きも歯磨きジェルも難しい・継続的にできないかもと心配があるばあいは、歯磨きスナックを試してみてください。「Greenies猫用歯みがきスナック」は、おやつ感覚で毎日続けてあげることで歯磨き効果のあるスナックです。
人だと臭いと感じるほどニオイが強いためか、嗜好性が高く多くのユーザーから「よく食べます!」と評価されています。ツナ・サーモン・チキンなどさまざまな味の組み合わせがあるので、愛猫の好みをみつけてください。
我が家の愛猫はこの袋を見せるだけで、あとをくっついてきて「ニャー(早くくれー)」と鳴きます!それくらい美味しいみたいです♪
まとめ
猫の口臭がドブ臭い原因は、病気・ストレス・加齢などさまざまです。猫のドブ臭い口臭に悩んでいるかもしれませんが、病気であればその治療を、ストレスであればその要因を取り除き、加齢の場合は日常的なデンタルケアを行いましょう。
ただし口が腫れていたり出血していたり、ご飯が食べれないそのほかの症状があらわれていたら動物病院を受診してください。また家庭でできる対策をしてもドブ臭い口臭が改善されないようであれば、獣医師に相談し歯科処置を検討してみましょう。